画像処理活用の問題点

 物体の検出や認識・傷や異常の検出・形状や位置の測定等様々な目的で画像処理はひろく活用されております。これは画像処理は確立された基本的な技術であり、OpenCV等を活用すれば簡単にプログラムすることもできるからです。

 画像処理もAIと同様に汎用的に様々な分野に適用可能な技術であり、幅広い条件で応用可能なのですが、実際に画像処理を活用しようとすると様々な問題が発生して、いくつかの問題に直面することが多いのです。例えば、

1.いくら画像処理のアルゴリズムを工夫しても判断精度が十分な精度にはならない。

 システムに画像処理を組み込んでその結果を使って何らかの判断をさせる場合にはルールベースの手法と人工知能(AI)を用いる二つの手法がありますが、どちらの手法の場合においても必要な十分な精度が達成できない場合がよく起こります。

2.ある製品のある条件で正しく動く画像処理を用いたシステムが実現できても製品や条件が変わると精度が極端に落ちてしまう。

 画像処理を行うには、カメラで撮影した画像データに対して信号処理を行います。AIの場合と同様にその上流工程であるカメラの撮影の段階で良い画像(写真)が撮れていないと後ろの画像処理をいくら工夫してもうまくいかないことになります。したがって、画像処理では画像を撮影する部分が一番重要です。良い画像を得るには、測定対象をどのように適切に照明して良い画像を撮影をするかに依存しています。

 測定対象物の表面形状や表面の質や材質によって照明光の当たり具合や反射光の様子は大きく変化します。したがって、測定対象物の表面形状や表面の質や材質に応じた適切な照明を採用することが最も重要となります。

 照明装置にも「リング照明」・「ドーム照明」・「同軸落射照明」・「スリット照明」等の様々な装置があり、それぞれに得意な状況と対象、不得意な状況と対象がありますので適切に照明を選択することが重要なのです。さらに、照明は適切な角度から適切な光量の光を当てることが必要です。カメラも適切な位置・角度から撮影することが良い画像を得るための条件となります。

 「AI技研」は計測と計測データ処理及び画像処理や照明にも長年の実際的経験を有しておりますので、それらを最適化したり適切な選択を行ったりすることにも多くの技術があります。

画像データから、はんだの部分を抽出した例